クコの実は中国原産の果物です。英語ではゴジベリーといいます。近年、スーパーフードとして注目を集めている食品です。
老化にともなう目のトラブルによいことでも知られています。
漢方の世界だけでなく、欧米でも「目にいい」効果は認められ、人気が高まっています。
目がよくなるといわれるクコの実。一体、どのような良い効能があるのでしょう?
クコの実が目にいいポイント3つ
緑内障を防ぐ
緑内障の原因として、眼圧があげられます。高くなった眼圧によって、視神経が傷つけられ緑内障が起きるのです。
クコの実に含まれる多糖類は、この眼圧の上昇から網膜を守る効果があることが、動物実験によって明らかになっています。
網膜にはミクログリアと呼ばれる細胞が含まれており、クコの実の多糖類をとると、このミクログリアが網膜を保護する力が強まるのです。
糖尿病を防ぐ
糖尿病の初期症状として、視力の悪化がよく挙げられます。
高血糖の状態になると、血管の中でも細い網膜の血管が損傷を受け、視力低下を引き起こすのです。
クコの実には血糖値を下げる効果があります。
クコの実をとることは、血糖値に起因した目の損傷をふせぐことにつながります。
老化を防ぐ
物質を酸化させる力が強い酸素を活性酸素といいます。活性酸素は、その強い酸化力により、DNAを傷つけたり、細胞の老化を進ませる害があることが指摘されています。
クコの実は活性酸素を吸引する力がとても強い食物です。バナナやリンゴといったフルーツよりはるかに高い力をもっています。
酸化防止剤分が高い食品をとることは、目を含む体全体の老化を遅らせることができると考えられています。
このように長所の多いクコの実ですが、「食べすぎてはいけない」という点もよく指摘されています。
クコの実には薬剤のもとになるような成分も含まれており、その分、効果も副作用も強いのです。
ではクコの実の副作用とは、どういったものがあるのでしょう?
気をつけて!クコの実(ゴジベリー)の注意点
1:流産、早産のリスクが高まる
クコの実にはベタインという成分が含まれています。これは自然由来のアミノ酸の一種で、化粧品の保湿剤や食物の保存剤として使われています。高脂血症を改善する効果もあります。
その一方で、ベタインは人工中絶薬として使われてきた成分でもあります。早産や流産の危険があるので、妊娠している方は避けるべき食材です。
このように妊娠中は危険なクコの実ですが、これから妊娠したい方にとっては、一転してよい食べ物になります。
食物の自然由来パワーって、本当に不思議ですね
2:薬の副作用を引き起こす場合がある
ワルファリンという薬をご存知でしょうか?血流をよくし、血液が固まるのを防ぐ薬です。脳梗塞や血栓をふせぐため使われます。日本では医師の処方箋がないと手に入れられません。
このワルファリンの副作用として、出血しやすくなるという点があります。
クコの実もまた、血流を良くする作用がある食物です。
ワルファリンとクコの実を一緒に摂取した結果、大量出血を起こしたケースが海外で報告されています。
他にも
アミトリプチリン(抗うつ剤)
ジアゼパム(抗不安薬、抗けいれん薬、催眠鎮静薬)
ベラパミル(抗不整脈薬)
ジロートン(ぜんそく薬。日本未承認)
以上の薬をクコの実と一緒にとると、薬の血中濃度が上がるという報告があります。
3:アレルギー反応が出ることがある
クコの実も他の食物と同じようにアレルギー反応を引き起こすことがあります。
ナッツ、桃、トマト、たばこのアレルギーを持つ人は、クコの実に対しても、アレルギーを持っている可能性が高いといわれています。
クコの実(ゴジベリー) 一日にどのぐらいの量なら安全?
効果が強いゆえに、リスクも考えなくてはならないのがクコの実です。
健康のため毎日、食する場合、一日に取る量は10粒程度にすべきという慎重な意見も日本ではみられます。3gぐらいでしょうか・・・
一方、欧米や中華圏では15g程度とする意見が多いですね。テーブルスプーン5杯ほどです。
クコの実の健康効果に対する、良い調査結果も、そのぐらいの量を摂取した試験から出されています。
食べる量が少なければ安心だけれども、効果のほどははっきりわからない・・・
量を増やすと、効果が期待できるが、副作用のリスクも高くなる・・・
この点は個人の体調、体質によって、量を判断したほうがいいでしょう
最後に!クコの実(ゴジベリー)をとってはいけないとき
クコの実は目や体に良い影響をもたらしますが、以下の注意点は気をつけて使うべきでしょう。
・ワルファリン(血栓を防ぐ薬)
・アミトリプチリン(抗うつ剤)
・ジアゼパム(抗不安薬、抗けいれん薬、催眠鎮静薬)
・ベラパミル(抗不整脈薬)
・ジロートン(ぜんそく薬。日本未承認)