1分で読める!明治時代の女子のつとめ

女子のつとめは、多くが家の中の仕事です。

食べ物を用意し、衣服を仕立て、老人をいたわり、子どもを養育し、親戚やご近所との付き合いをし、来客をもてなすといったことです。

たとえ学問や技能、芸術に優れていても、これらのことが欠けていては役にたちません。

そのため、女子は幼い頃からできるだけ家事を手伝い、これらのことに、滞りないようにならなくてはなりません。

加えて、暇があれば、縫箔、編み物、造花などの稽古をするのも、よいでしょう。

糸繰り、機械織りなども女子にはふさわしい作業です。
我が国の重要な産物で、年々、海外に輸出する織物、生糸などは、たいてい女子の手で作られるものです。

ただ自分自身を着飾ることばかり考えて、女子の大切なつとめを、おろそかにしてはいけません。

 

 

縫箔(ぬいはく)とは?
刺繍 (ししゅう) と摺箔 (すりはく) を併用して布地に模様を表すこと
造花とは?
明治期には編み物で作る九重編造花という造花が流行しました。九重編造花は明治、大正期の皇室御用品でもありました。


ユザワヤより

高等小学校国語読本 明治34年

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